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キングダム2 2話 李牧の首は秦趙同盟より重い [アニメ・小説]

アニメ「キングダム2」2話の感想です。

今回は戦争の話というよりかは戦略謀略の類の話になりましたね。
戦争のアクションとかを期待している人には
少々物足りない話になったのかもしれませんが
戦争には戦略は付き物ということですので
今後もこういう話が出てくるのではないでしょうか。



秦国にやってきた李牧でしたが、
なぜ来たのかという話になると
実は呂不韋が呼び寄せた結果なのでした。


呂不韋はまだ趙国に住んでいた頃、
春平君という少年と知り合っていました

過去の伝を使って秦国と趙国との友好を築こうと書かれた
呂不韋からの書簡を受け取った春平君は
趙王のためになることだと考えて独断で行動しました。

そこに漬け込んだ呂不韋はさくっと人質にしてしまって
趙王を脅迫してみせたのです。
「春平君を返して欲しければ趙国宰相を秦国に来させろ」

趙王は春平君を寵愛していたので
いてもたってもいられず宰相である李牧に
秦国へ向かうように命令し、断れば反逆罪で処刑するとまで
言ってしまいます…。

趙王とは暗愚王だったようです。
色恋を政に持ち出すとは、人間としてその情は理解できますが
王としては間違いなく失格と言えますねぇ。

王に逆らうことなどできようはずもなく、
配下の心配も虚しく李牧は秦国へ向かうことになりました。
李牧が秦国に来るのにはこういう事情があったのでした。
ん~李牧さんにはお気の毒としか言いようがありません。

李牧が”呂不韋は趙王の性格を知っている”と言っています。
これは大事な情報をしっていたんですね。
戦争において情報というものはとても大切です。

趙王の性格を狙った行動を取った呂不韋の情報力と行動力は
現在の秦国の誰にもできなかったことでしょう。
そう考えると呂不韋が秦国において
実質的最高権力者であることも納得できますね。

またこういう謀略ができる人材はエイセイの側にいないというもの
エイセイが秦国を掌握できない理由の一つでもあるでしょう。

汚い卑怯と見てしまいがちですが謀略家がいるいないでは
戦争においてかなりの差が出ることも明らかですし
エイセイはどんな手を使ってでも
中華統一を果たして見せると決意したなら
そういう人材確保も急務でしょうね。


この呂不韋の行為はエイセイも全く預かり知らぬことであり
王騎を討った憎き敵である李牧が秦国に来るとあっては
周りの人間も浮き足立たずにはいられません。

皮肉なことに王騎と心での繋がりを持っていなかった
呂不韋こそがある意味一番冷静だったと言えるでしょう。
呂不韋を心服させることができたらエイセイの中華統一は
かなり可能性が高まることが容易に想像できるというものです。

この話に関係することでシンとキョウカイも
王宮に呼び寄せられ昌平君から指示を出されます。
その役目は李牧の誅殺。
呂不韋の意に沿わない場合は李牧を殺せという指令でした。

シンはそれを拒否しました。
李牧に対して深い恨みを持つシンなら
即座に応えると思ったようですが
シンにはシンのプライドがあり
また王騎の誇りにかけても
それは受けられないという解釈だったようです。

しかし王騎の死に深くかかわっている蒙武は
同じ考えではないようです。
蒙武はそもそも呂不韋側の人間ですので
呂不韋に従うのは当然ですが
王騎を討たれた責任は感じていることでしょうし
また王騎を人間的に尊敬しているのはないでしょうか。
その恨みまた自らの剣に宿しているように思えますね。

また王騎の腹心であった騰や王騎軍長たちも
昌平君の指示に従うようですね。
王騎の仇討に否やはないと思いますが、
おそらく騰の心中はシンのそれと同じではないかと思われます。
やはりまずは李牧という人間を見てから
殺すかどうかは自分で決めると考えて
指示に従っているフリをしているんじゃないでしょうか。

それにより自分だけ拒否しても意味がないと理解したのか
シンは刺客になることを承諾したようですね。


そして呂不韋と李牧の会見が始まります。
正直後ろにいるエイセイは文字通りのお飾り状態ですね。
まぁ腹芸に精通していないエイセイでは
役に立たない場面ではありそうですしね(汗

2人の腹の探り合いはなんともむず痒くなる会話ですねぇ。
私ごときでは知的でも胆力でも絶対マネできないと
確信できるレベルの会話が進んでいるわけです。

相手を誉めそやし相手の出方を見る。
自分を卑下して相手を持ち上げる。
そんな応酬があって王騎を討った人間性をみる呂不韋は
李牧が自信を小さい粗野な人間であると評し
それゆえに王騎を討てたのだといいます。
そして自分が呂不韋のような大人物であったなら
王騎を討てなかったとも。

この言葉は自分を卑下しているようでその実
呂不韋を牽制するものでもあるのでしょうね。
自分は小人だからこそ大人たる王騎を討てたのだと
そして大人である呂不韋では王騎を討ち得なかったとも。
大人である呂不韋もまた
その対象になりえるということでしょうか。


そんな人柄や能力を見抜いた呂不韋は
李牧が大きな敵であると見たことを告げ殺害を宣言する。
これは第一段階のやり取りなんのかもしれません。

殺すよ?君はどうするの?
っていうフリでしょうか。
またこういう事態に陥った場合の李牧の対応も見てみたい
という「商人上がりの品定めの眼」が何かを期待して
この殺害宣言をしたようですね。


手土産があるので許して欲しいという李牧。
大きな地図を広げて自分が秦国の軍略家としての立場で
話を始めると言い出します。

秦国の中華統一には目の前にある韓国(現在の韓国ではない)が
非常に邪魔であるため潰さなければなりません。
しかし韓国を攻めれば次に狙われるであろう
魏国と趙国がこぞって韓国の救援に駆けつけることになります。
そうなると当然秦国に勝目はないでしょう。

そこで先に魏国を潰します。
そうして魏国の兵力を削ぎ尽くしてから韓国を攻めるわけです。

本来ならここでまだ趙国がいるので趙国も兵力を削がねばならず
地理的にも趙魏韓の三国との連合軍のとの戦争になるでしょう。

しかしここで趙国の宰相である李牧が
韓国への援軍を出さないことを約束すれば
話が大きく変わってくることになります。

その条件で韓国のみを攻めるとすると
先に叩き潰した魏国には援軍に回せる兵力がありません。
そして趙国からの援軍が来なければ
小国である韓国は瞬く間に秦国の大軍勢によって
呑み込まれることは明白でしょう。

しかしこの条件ではあまりに秦国に利が多すぎ
また趙国に利がありませんので
別の条件をつけたいという李牧。


趙国は東西に挟まれる形で
秦国と燕国を敵国として戦争をしています。
ここで趙国は上記の条件を果たす代わりに
燕国攻めを行う際に、趙国を攻めないという
不可侵条約を結んだ同盟を申し出たわけです。


かなりの好条件と思われるのですが
呂不韋は李牧の申し出を断ります。

呂不韋はこの同盟が秦国(呂不韋)にとって
かなり有利な条件であることを理解しています。
しかしこの場面でこの条件を持ち出せるその知力や判断力。
この李牧こそが秦国にとって最大の敵だろうと考えたわけです。

同盟での利益より李牧を殺した方が
秦国にっとてはより利益であると
李牧の存在の大きさを認めて評価した結果の拒否でした。

そこで呂不韋は韓コウの地にある城を呂不韋に
ただで明け渡せば許そうと提案します。

韓コウの城は最重要地点と考えて
近年李牧が増強している城であり
もうすぐ建築が完了する予定となっている城のことでした。

当然趙国としては随分と建築費がかかっている上に
そもそも要衝であるその地の城を明け渡したいわけもないのですが
この場で断れる理由を上げては全てを拒否された李牧には
これ以上断る理由を見つけられず明け渡すことにしました。

これによって秦趙同盟が成立しました。
この様をみていたシンはキュウカイから
「喚き散らさなくていいのか」
と微妙な質問をされていますが
事の大きさに圧倒されているシンは口を挟むこともできず
またこんな大きな敵(呂不韋)と戦っているエイセイの苦労に
始めて理解を示したのでした。

シンもかなり成長してきましたねぇ。
この腹芸を理解できたことに驚きますね。
いままでのシンだったら喚き散らして
この同盟を潰してやろうと暴れていたかもしれませんね。

次回からどういう展開になっていくのか
非常に楽しみです。

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